
卵子提供におけるリスク・デメリットは以下のものが挙げられます。
- 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症のリスク
- 治療費が大きい
- 周囲の理解・生まれてきてくれた子どもへの説明
それぞれに関して見ていきましょう。
妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症のリスク
妊娠高血圧症候群とは、むくみ、たんぱく尿や高血圧などのいずれかの症状が現れたことを指します。
特に高血圧の場合には注意が必要です。卵子提供を始めとした体外受精を望むご夫婦は、年齢が高い方が多く、高齢出産に該当する場合も多くあります。高齢出産の場合には、高血圧になる可能性が20代のおよそ1.8倍と示されています。
また、妊娠糖尿病とは、妊娠の影響によって発症してしまう糖代謝異常のひとつであり、妊娠中に初めて発症したもので、糖尿病には至らない軽度のものを指しています。
卵子提供の場合には妊娠糖尿病の発症率が8倍ほどに増えるというデータも示されているため、注意が必要となります。
卵子提供に必要となる費用が大きい
現在は、卵子提供を希望するご夫妻の多くは海外渡航をしたうえで、国外で検査や受精卵の移植を受けることが主流となっています。
この背景には、卵子提供が日本では十分に普及していないという事情があります。
国外での卵子提供は日本のエージェントを通じて進められるため、手続きとしてはスムーズに進むことも多いかと思いますが、渡航費や国外での滞在費などが治療費とは別に必要となるため、これらをすべて考慮した費用は決して安価であるとはいえません。
周囲の理解・生まれてきてくれた子どもへの説明
卵子提供に対する法整備や制度が充実していないことが大きな要因なのですが、卵子提供に対する周囲の理解をどのように得るのか、生まれてきてくれたお子さんにどのように伝えるのかも気に掛けておく必要があります。
子育てにはお母さん・お父さんのお力が必要であることはもちろんですが、それだけでなく多くの方がさまざまな形で子育てにかかわることになります。
卵子提供に関してご夫妻の間で理解を深め、決断することも重要ですが、加えて、周囲の方や将来的なお子さんのことも十分に相談なさってください。