男性側からパートナーの妊娠を容易にするためのアプローチ

岡田弘　先生

獨協医科大学埼玉医療センター病院長

リプロダクションセンターGM

泌尿器科主任教授

不妊症の原因は男性因子と女性因子がほぼ半々に存在しますので、カップルで取り組むことで良い結果が得られます。しかし、現実問題として、男性は十分に妊活に協力していないのが現状です。この原因は、「仕事優先で時間を作ることができない」「自分に原因があるとは思わない」「男性の妊活手段があることを知らない」など、妊活に向けた消極性（身勝手）や知識不足にあります。男性側からパートナーの妊孕性を高めるアプローチとして、最も効果的なことは「精子力」を向上させることです。精子の質である「精子力」を計る方法には、精子DNA断片化指数（D F I）や聖駅の酸化還元電位(ORP)、精子活性酸素(ROS)産生能測定などがあります。これらの測定結果を用いた最新の研究から「精子力」向上の方法が明らかになってきています。

日常生活の中で精子に悪影響があることを避け、その成果が可視化されるようにDFI・ORP・ROS測定により、「精子力」の向上を自覚することが、男性側からパートナーの妊娠への協力を継続させる秘訣です。今後ますます精子の質の検定が治療判断に重要な意義を持ってくると考えられます。

プロフィール

【学歴】1980年神戸大学医学部医学科卒業

1985年神戸大学大学院医学研究科博士課程終了

【職歴】1985年神戸大学医学部附属病院助手（泌尿器科）この間Department of Urology, Department of Microbiology and Immunology, New York Medical College(1985年〜1987年)

1989年　三木市立三木市民病院　泌尿器科主任医長

1992年　神戸大学医学部附属病院講師（泌尿器科）

2002年　神戸大学医学部助教授（泌尿器科）

2003年　帝京大学医学部泌尿器科助教授

2007年　獨協医科大学越谷病院泌尿器科主任教授

2018年　獨協医科大学埼玉医療センターリプロダクションセンター統括者

2018年　獨協医科大学埼玉医療センター病院長