よくある質問

パーソナル精子バンクを利用するメリットは何でしょうか?

男性の精子機能は35歳を境に低下することがわかっています。(いわゆる35歳の壁)
卵子に受精する能力(いわゆる精子力)の高い精子を専門施設で凍結保存することは、年齢や健康状態に左右されることなく、長期間にわたって妊孕性(妊娠するための力)を確保することになります。
ライフプランの選択肢を増やすための物理的保険とも考えられます。

パーソナル精子バンクは女性にもメリットがあるものでしょうか?

卵子に受精する能力(精子力)の高い精子を凍結保存することは女性の視点でも高いメリットがあります。日本では妊活を開始する年齢や不妊治療を受ける年齢が上がっています。妊孕性(妊娠するための力)は加齢と共に低下します。男性の精子力が十分でない場合は、受精着床の確率が低くなります。
その結果、女性の肉体的、精神的な負担の増加につながるケースが少なくありません。
尚、体外受精を中心とした不妊治療は保険適応になっています。しかし、年齢と治療回数の上限が定められて入り、これを超えたものは自費になります。したがって、治療回数が増加するにつれて、費用負担も増加することになります。

パーソナル精子バンクは何歳から、何歳まで利用できますか?

基本的に18歳から可能です。凍結保存した精子を用いる時期には個人差がありますので年齢の上限制限は特に設けておりません。
未成年者が、抗がん剤や放射線治療などの“がん治療”に先立って、妊孕性温存の目的に利用を検討される場合はご相談ください。

契約者が万一死亡した場合の、凍結保存精子はどうなりますか?

契約約款に定めてある通り、契約者の方がお亡くなりになった場合、原則的に廃棄処分をいたします。
ただし、契約者に配偶者がいらっしゃる場合は、検体を相続するかどうかのご意向を確認し、相続を希望される場合は、契約者を配偶者に変更手続きを行なった上で、凍結保存精子の保管を継続いたします。

精子の凍結保管を通院ではなく宅配型で行えるメリットは何でしょうか?

宅配型のメリットは、お客様のご都合やペースに応じて自宅で完結出ることです。
通院によるクリニックでの精子凍結は基本的に不妊治療を目的とした精子凍結が前提になっていますのでパーソナル精子バンクとはサービス内容が異なります。
クリニックでの精子凍結は、体験談として「受診に比較的多くの時間が必要」、「受診〜検体持ち込みの抵抗感や羞恥心が大きい」と言った感想が報告されています。
当センターで保管しているお客様の凍結精子を使用される場合は、パートナー様が受診されている担当医師の同意のもとで、所定の手付きを経て全国の生殖補助医療実施医療機関に出庫することができます。

凍結保存センターでは誰がどのように検体の取り扱いをしますか?

精子の状態のあまりよくない男性不妊症患者さんの精子凍結と同様の取り扱いで、精子に優しい凍結方法を採用しています。凍結保存は、半久保存が可能なマイナス196℃の液体窒素タンク中で行います。
また、この保存タンクの温度は、24時間連続監視されており、温度変化のあった場合でも支援凍結保存システムが稼働いたします。

保管した精子は何年間ART(生殖補助医療)に使用できますか?

精子の保管年数に制限はありません。お客様の家族計画や配偶者の方の年齢、ご事情などに応じて、
契約者が必要とされる期間は何年間でも使用することが可能です。

採取した検体(精液)はすぐに輸送する必要がありますか?

精子は時間の経過と共に機能が低下します。機能性の高い精子を保管するために、本サービスでは、精液採取から48時間以内に余裕を持ってセンターに到着することを前提になっています。

保管証明証とはどのようなものですか?

契約者の基本情報、事前検査の検体数値、保管してある検体の採精日付及び保管数量、凍結保管を行なった日付、管理状況などの情報を確認していただけるデジタル証明書になります(印刷物でのご提供はありません)。近年、男性女性ともに妊活開始前に行うことが推奨されてきている、プレコンセプションケアのエビデンスとしても有益です。

専門的な質問

事前検査で感染症検査を行う理由は何でしょうか?検査項目について教えてください。

ART(生殖補助医療)を実施する際に使用する精子に感染症がないことを証明するエビデンスが必要になります。また、凍結保存する液体窒素タンクには複数人の精子が共存することになりますので凍結精子に感染を起こさせないことが重要です。
陽性の場合は検体を受け入れることができませんので治療を行っていただく必要があります。
陰性が確認でき次第、精子凍結を行うことが可能です。

検査内容は次の6項目になります:
・B型肝炎(血清抗原検査) ・C型肝炎(血清抗体検査) ・尿中クラミジア(尿抗原検査) ・尿淋菌(抗原検査) ・HIV(血清抗体)・梅毒(血清抗体)

事前検査で精子DNA断片化指数検査(DFI検査)を行う理由は何ですか?また保管が可能となる基準値はいくつでしょうか?

精子のDNAに損傷が多い場合は、受精・着床が難しくなります。
DFI検査は精子の頭部に格納されている、遺伝情報の源であるDNAの損傷を検出するものであり、DNAに損傷のある精子の割合として算出されます。
基準値の上限は22%に定められています。妊娠の成功率から見た場合には、DFI値は10%未満であることが望ましいと考えられています。
お客様のご事情で、基準値以内の検体を保管しておいて、数値が改善された場合は検体を良いものに置き換える事や、追加保管する事もできますのでご都合に合わせてご検討ください。

事前検査の結果が基準値以外だった場合はどうなりますか?

すぐには凍結保管することができないため、感染症の治療と精子の機能や質の改善が必要になります。
生活改善と医療機関の受診をお勧めいたします。その場合、弊社で全国の専門医療機関をご紹介いたしますので、一般的な健康診断と同じように良い機会と捉えていただき、ポジティブな気持ちで取り組んでください。

標準メニューでは、保存する精子をする「クライオバイアル(凍結保存チューブ」の数量が5個になっています。その理由は何ですか?

標準的な人の精液の量に基づいています。(一度に採取できる量)中には10ml程度の精液量があり、精子濃度が十分に高い(5000万/ml程度)の場合は、10バイアルの保存をおすすめする場合があります。5バイアルずつを1つの容器に入れて、番地のついた格納場所にお預かりします。
凍結保存費用は凍結容器あたりで設定されていますので、5の倍数の個数のバイアルをお預かりすることになります。お客様のご都合に応じてサービスメニューを選択してください。

オプションメニューで保存するクライオバイアルの数量を増やすことができますが、その理由は何ですか?

標準的な保存量のクライオバイアル5個は、5回のART(生殖補助医療)に使用されること分量になります。保存数量を増やす事は6回以上複数回のARTや、第二子、第三子を望む場合にも有効な手段です。

ART(生殖補助医療)で精子を使用する際の手続きはどのように行いますか?

パートナー様が受診されている「生殖補助医療実施医療機関」の担当医師に凍結精子を使用したい旨の相談をしてください。担当医師の承認が得られたら所定の手続きに基づいて「出庫申請」を行なってください。当センターでは、出庫申請に基づき「倫理委員会」で審査の上凍結精子の使用について協議を行います。「倫理委員会」にて、承認された凍結精子をART(生殖補助医療)へご連絡の上、お届け致します。

保存してある精子を日本産科婦人科学会登録の「生殖補助医療実施医療機関」以外の医院に出庫することはできますか?

現時点では、日本国内の医療機関への出庫に限定しています。さらに、施設は、日本産科婦人科学会登録の「生殖補助医療実施医療機関」に限定されています。
国外に出庫を希望される場合は、以下のQ&Aを参照してください。

難易度の高い質問

パーソナル精子バンクの契約者と検体採取を行なった本人(所有者)は同一人物であることが条件でしょうか?

契約者と精子の出所が同一であることが前提になりますので、契約者は検体の所有者本人に限定されます。ご家族や他人名義で契約することは出来ません。(当精子バンクは、善意の第三者の立場となります)写真付きの身分証明書の確認と、契約者の精子であることを申告する確認書の提出が必要になります(これらは紙媒体ではなく、ネット上でデジタル的な確認手続きになります)

サービス利用中のユーザーが、精子力の向上に伴って保管精子を入れ替えることはできますか?

保管精子の入れ替えおよび追加の保存は可能です。
(例:DFI検査の 数値が22から8に改善された場合など)
実施される場合は手数料がかかりますが。所定の手続きに沿って申請して下さい。

海外に居住する場合、現地でARTを行う場合、海外の医療機関に精子を出荷することはできますか?

海外の医療機関への出庫は、対象となる国の規制など事情にもよりますが、多くの場合は可能です。所定の手続きに沿って申請してください。
尚、輸送は提携の専門業者をご紹介する形になります。必要な手続きや費用は対象の国によって異なりますので専門業者に余裕を持ってお問い合わせください。

輸送中の不慮の事故等で、検体の破損、紛失などが発生した場合はどうなりますか?

確率は非常に低いですが事故が発生する場合があります。その際は大変申し訳ございませんが契約約款に基づいて再度、実施をお願いいたします。

その他の質問

契約期間が終了した場合、保管してあった精子はどうなりますか?

医療廃棄物(感染性廃棄物)として都道府県・政令市が認定した優良産廃処理業者に委託して法律に準拠して適正に処理いたします。

契約者が万一死亡した場合の、凍結保存精子はどうなりますか?

契約約款に定めてある通り、契約者の方がお亡くなりになった場合、原則として検体を破棄処分いたします。
ただし、契約者に配偶者(事実婚のパートナーは含みません。)がいらっしゃる場合は、検体を相続するかどうかのご意向を確認し、相続を希望される場合は、3か月以内を目途に契約者を配偶者に変更する手続を行なった上で、凍結保存精子の保管を継続いたします。もっとも、この場合、保管のための費用がかかること、法令及び医療倫理に違反する目的が確認された場合、出庫できない可能性があることをあらかじめご了承いただくことになります。

保存してある精子を第三者に提供することはできますか?

契約約款に定めているとおり、第三者への提供はいかなる場合も出来ません。
保存してある精子の出庫は、配偶者との間で行うART目的とし、生殖補助医療実施医療機関の担当医師の同意がある場合に限定されています。保存してある精子は、契約者と精子の出所が同一である事が前提になっています。また、配偶者や親族の方に契約者を変更することもできません。(契約者が死亡した場合を除く)
これら事故・不正防止の管理は非常に厳格な規定を設けて運用しています。

PAGE TOP