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精子の質に目を向ける
ART時代の新たな治療戦略・精子力改善プロジェクト (2019年秋号)

抗酸化療法
株式会社パートナーズ
代表取締役 細川忠宏

男性不妊抗酸化療法


男性不妊の7割以上は、原因不明の乏精子症や精子無力症とされています。そのよう
なケースや軽度の精索静脈瘤では抗酸化剤が精子の質を改善するのに寄与します。
酸化ストレスとは?
酸化とは、たとえば、リンゴを切ったままにしておくと色が変わったり、鉄が錆びつ
いたり、油が古くなると黒ずんだりするといった、空気中の酸素に触れ、反応するこ
とで起こる現象のことで、体内で発生する「活性酸素」は、体(細胞)をさびつかせ
(酸化させ)、さまざまな不調や病気の原因になります。
その一方で、私たちの体内には活性酸素を無毒化する働き(抗酸化作用)が備わって
います。その中心は抗酸化酵素で、その他に、ビタミンCやE、グルタチオン、コエン
ザイムQ10、ポリフェノールなどの抗酸化物質が、協働して活性酸素のダメージから
体を守る抗酸化ネットワークを張り巡らせています。
通常、酸化力(活性酸素によるダメージ)と抗酸化力(抗酸化ネットワークの防御能
力)はバランスがとれています(左図の上)。ところが、活性酸素が過剰に発生(下
の左側)したり、もしくは、抗酸化力が低下(下の右側)したりして、酸化力が抗酸
化力を上回った状態を「酸化ストレス」と言います。
酸化力と抗酸化力のバランスが酸化力のほうに傾いた状態が「酸化ストレス」です。
男性不妊の背景にある酸化ストレス
活性酸素の発生源は多岐に渡ります。そもそも、細胞内のミトコンドリアでエネルギ
ーをつくる際に発生しています。その他、タバコや大量の飲酒、肥満、高血糖、偏っ
た食生活、食品添加物などの生活面、また、精索静脈瘤、前立腺などの炎症、異常な
精子からも活性酸素が大量に発生します。さらには、禁欲期間が長くなると酸化スト
レスを受けやすくなります。
(図)男性不妊と酸化ストレスの関係[1]
元々、精子には抗酸化酵素が十分に備わっていなかったり、細胞膜の脂質は主に多価
飽和脂肪酸で酸化されやすい性質があるため、酸化ストレスは、精子頭部のDNAを損

傷したり、体部や尾部の細胞膜の脂質を酸化します。その結果、DNA損傷率が高くな
り、受精率の低下や流産率の上昇に関連し、細胞膜の脂質の酸化は細胞膜の柔軟性を
低下させ、精子細胞のタンパク質の酸化もあわさって運動性能を悪化させます。
男性不妊抗酸化療法
コクランレビューでは、男性パートナーが抗酸化サプリメントを摂取していたART患
者の女性は、そうでない女性に比べて妊娠率、生産率ともに有意に高いと報告してい
ます[2]。中でも、コエンザイムQ10はRCTによる男性不妊患者の精子の質の改善

果について多くの報告がなされています[3–5]

 

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